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BL~中編・長編集2~

第15章 ~ほんとに好きなのは…?~

「………ッ……好きっ…だから……です…」

望みなんてないのに。 生徒会長が好きなのは莉央なのに。
自分の気持ちを言ってしまった。

「おい。 顔見せろ。」

「!? い、嫌です‼‼」

今、顔は見られたくない。 絶対に真っ赤だし、恥ずかしさのあまり涙出てきたし‼

力ずくで俺の腕を引きはがそうとしている生徒会長に、全力で抵抗する俺。
だけど、生徒会長の力に敵うはずがなくて…

「ははっ。 真っ赤。」

「…~っ‼」

この人、なんでこんなに意地悪なんだよっ……

「泣きそうになってるし。 そんなに恥ずかしいのか?」

「ッ……最低っ…」

なんで、こんな人好きになったんだろう。 俺、別にMってわけでもないのに。
人を見る目がないのだろうか。

だけど……俺をからかっている生徒会長は、今まで見たなかで、一番嬉しそうに笑っていたんだ。
そして、俺の頬にそっと手を添えると…

「っ‼!?」

ゆっくり離れていく生徒会長の綺麗な顔。 何が起こったのか、理解できない。

「な……に…」

今、なんか柔らかいものが唇に……

ポカーンとなっている俺を見て面白そうに笑った生徒会長の口から出た言葉に、俺は耳を疑った。

「俺も……お前が好きだ。 大智。」

「……ぇ…?」

生徒会長は……なんて言ったんだ? 好き? 俺を?
で、でも…莉央は…? 生徒会長は、莉央のことが好きなんじゃないのか?

「生……んっ‼」

莉央のことを聞こうと口を開くと、生徒会長にまたキスされて遮られてしまった。

「っ……ッ…」

さっきみたいな短いキスを、何度もされる。
最初は、混乱してたのと緊張してたのもあってぎゅっと力んでいたけど…

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