BL~中編・長編集2~
第15章 ~ほんとに好きなのは…?~
「う~…」
「大丈夫か?」
翌朝。 痛む腰を押さえ、ふらふらとした足取りでなんとか教室に向かおうとするも、結局一人では歩けず生徒会長に支えてもらうことに。
申し訳ないから断ろうとしたんだけど、生徒会長がなんとなく嬉しそうに見えたのでお言葉に甘えることにした。
「はい…すみません…」
「気にするな。 俺のせいだしな。」
……確かに。 昨夜、生徒会長は初心者の俺に対して一切容赦してくれなかったからな。
それにしても…
「なんなら、教室までお姫様抱っこで運んでやろうか?」
「!!? け、結構です!!」
生徒会長のこと、最初は俺様で冷徹だと思ってたんだけど……意外と優しい所もたくさんあるんだよな…
佐助にも優しいし…
「っていうか、わざわざ教室まで送っていただかなくても…俺、ここまで来れば一人で行けますよ?」
さすがに教室までついてきてもらうのは申し訳ない。 それに…さっきから、すれ違う生徒達の視線が痛い。
そりゃ、俺みたいな平凡な生徒が天下の生徒会長に支えられながら歩いてたら、気になるのは当たり前なんだけど…
「いや…お前のクラスに用事がある。」
俺の言葉に、生徒会長は少し考える仕草を見せた後、首を横に振った。
用事? 俺のクラスに…? 俺のクラスって言ったら……
「ぁ…」
もしかして、莉央に何か用事があるのか…?
そういえば…昨日のお昼のこと、生徒会長に聞くのを忘れてた。
「透せんぱ……」
「あーーーー!!!」
昨日のことを聞こうと思って生徒会長の名前を呼んだ瞬間、廊下に大きな声が響き渡った。
それは、とても聞き覚えのあるもので…顔を見なくても、声の主が誰なのかわかった。