BL~中編・長編集2~
第16章 ~大切なのは…~
「部活の連中と歩いてたら、あいつが腕掴んできてさ……
『腕を放す代わりに、俺の質問に答えろ。』
って言われて。 まあ…いろいろ聞かれたわけ。 お前が、俺達に心配かけないように嘘ついてたこともわかったから…」
嘘がバレてしまったと言われ、体がビクッと反応してしまった。
どうしよう……なんて…言い訳……
「でさ…あいつに言われたんだよ。
『大好きなあいつがお前を選んでくれた一年前の今日という日は…お前にとって何?』
『後輩マネージャーの誕生日を祝うのと、大好きなあいつとの記念日を祝うの……どっちが大切なんだ?』
って。 すごい真剣な顔で。 あいつ、怒らせると結構怖いんだな。」
「ははっ。」って乾いた声で笑ったあいつが俺を抱きしめる力が強くなった。
そこまで聞いても、俺の頭の中は真っ白で……
山本がなんでそんなことを言ったのか。 それを聞いて、どうして黒川がここにいるのか。
全然理解できないで、ただ黒川に抱きしめられていた。
「あいつに言われて初めて、記念日を大事にしようって思った。 だって、大好きなお前が俺を選んでくれた日は、お前が生まれてきてくれた日と同じくらい大切な日だもんな。」
「…っ………」
黒川の言葉に、息が詰まった。
付き合って一年━━……初めて、自分に向けられた『大好き』という言葉を、こいつの口から聞けた。
その瞬間、俺の中の不安や恐怖が一気になくなって、安心感から涙が溢れてきた。
「柏木……?」
抱きしめている俺が泣いていることに気付いた黒川は、珍しく動揺しているようで…
俺の名前を呼ぶ声から、困惑しているのがわかる。
「よかっ……ッ…俺…っ…お、前にすっ……好かれ、てる自信なッ…くて…っ」
俺を抱きしめている力を緩め、少し体を離したあいつは、俺がアホみたいに泣いているのを見て困ったように笑った。
『腕を放す代わりに、俺の質問に答えろ。』
って言われて。 まあ…いろいろ聞かれたわけ。 お前が、俺達に心配かけないように嘘ついてたこともわかったから…」
嘘がバレてしまったと言われ、体がビクッと反応してしまった。
どうしよう……なんて…言い訳……
「でさ…あいつに言われたんだよ。
『大好きなあいつがお前を選んでくれた一年前の今日という日は…お前にとって何?』
『後輩マネージャーの誕生日を祝うのと、大好きなあいつとの記念日を祝うの……どっちが大切なんだ?』
って。 すごい真剣な顔で。 あいつ、怒らせると結構怖いんだな。」
「ははっ。」って乾いた声で笑ったあいつが俺を抱きしめる力が強くなった。
そこまで聞いても、俺の頭の中は真っ白で……
山本がなんでそんなことを言ったのか。 それを聞いて、どうして黒川がここにいるのか。
全然理解できないで、ただ黒川に抱きしめられていた。
「あいつに言われて初めて、記念日を大事にしようって思った。 だって、大好きなお前が俺を選んでくれた日は、お前が生まれてきてくれた日と同じくらい大切な日だもんな。」
「…っ………」
黒川の言葉に、息が詰まった。
付き合って一年━━……初めて、自分に向けられた『大好き』という言葉を、こいつの口から聞けた。
その瞬間、俺の中の不安や恐怖が一気になくなって、安心感から涙が溢れてきた。
「柏木……?」
抱きしめている俺が泣いていることに気付いた黒川は、珍しく動揺しているようで…
俺の名前を呼ぶ声から、困惑しているのがわかる。
「よかっ……ッ…俺…っ…お、前にすっ……好かれ、てる自信なッ…くて…っ」
俺を抱きしめている力を緩め、少し体を離したあいつは、俺がアホみたいに泣いているのを見て困ったように笑った。