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BL~中編・長編集2~

第16章 ~大切なのは…~

「目が真っ赤になるまで…こんなに瞼が腫れるまで、泣いてたんだろ…?」

「黒…」

あいつのこんな表情、一年付き合ってて初めて見た。

なんで……なんで、お前が泣きそうな顔してるんだよ…

「ごめん…俺、一年もお前と付き合ってるのに、お前のこと何にもわかってなかった。」

今にも泣き出しそうな顔をしたあいつは、もう一度「ごめん。」と呟いて、優しく俺を抱きしめてきた。

「…黒…川…」

恐る恐る黒川の背中に手を回す。
こんなに弱気なあいつを見たのは初めてだから、どう接すればいいのかわからない。

「柏木…」

少し体を離して、俺の顔を見てまた悲しそうに顔を歪めたあいつは、俺の瞼や頬に優しくキスをし始めた。

「だ、から…顔見るなって言っ……んっ‼」

変に優しいあいつに、羞恥心や何やらで耐えられなくなったのでそう訴えれば、キスをされて言葉を遮られてしまった。

「俺がお前を嫌いになることなんてないから……どんなお前でも好きだよ…」

「なっ……んぅ…ッ…」

あいつからの甘い甘い言葉に、体温が一気に上がったのが自分でわかる。
驚く暇もなく、またキスで口を塞がれてしまった。

「ふっ…ぅ……む…んっ…」

「柏木…っ…」

あいつの手が、服の中に侵入してきた。 お腹を撫でながら、徐々に上がってくる手。

「んんっ‼」

そして、その手はとうとう胸に到達した。
到達すると同時に、俺への愛撫が始まる。

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