BL~中編・長編集2~
第17章 ~一番好きな人~
『十五番目でもいいのか? 俺、今十四人彼女いるからさ。』
『…………』
その時、僕は決めたんだ。
先輩が、『好き』っていう気持ちを信じられるようになるまで、先輩の傍にいようって。 先輩がもう一度その気持ちを信じられるようになるまで、ずっと待とうって。
『……はい。』
『……じゃあ、十五番目だから『いちご』な。』
『はい。』
━━━こうして、僕の不思議な生活が始まったんだ。
先輩の恋人って言っても、僕は十五番目。 他の彼女さん達に悪いし、先輩が男なんかと付き合ってるってバレたら大変なことになってしまうから、あまり先輩には近づかないようにしてるんだ。
先輩と会ったり話したりするのは、大学で偶然先輩と出会った時か、先輩の気まぐれで呼び出される時だけ。
「あー…やっと講義終わった…」
「今日は、いつも以上に眠かったね~…」
将仁と二人してあくびをしながら、並んで学校の出口に向かう。 僕の通っている大学の周りには、遊べるような場所がないんだ。 だから、将仁と遊ぶ時は隣の駅まで行く。
「今日さ、久しぶりにゲーセンで…」
「いちご!!」
朝と同じように、将仁の言葉を遮って僕を呼ぶ声。
え? なにこれ、デジャヴ?
「辻元先輩…あ、あの……何かご用ですか?」
振り返ると、やっぱり先輩の姿が。
でも、珍しく一人みたいだった。 いつもなら、彼女さんの一人や二人連れているのに。
「行くぞ。」
「ぇ……っ!!?」
返事もしていないのに、僕の腕を掴み、スタスタと歩き出す先輩。
「ちょ、おいっ!!」
将仁の制止の言葉も、聞く気はないようだ。 先輩は、無視して歩いて行ってしまう。
僕はどうしていいのかわからなくて…でも、先輩の手を振りほどくような度胸もなく、なすがまま。
『…………』
その時、僕は決めたんだ。
先輩が、『好き』っていう気持ちを信じられるようになるまで、先輩の傍にいようって。 先輩がもう一度その気持ちを信じられるようになるまで、ずっと待とうって。
『……はい。』
『……じゃあ、十五番目だから『いちご』な。』
『はい。』
━━━こうして、僕の不思議な生活が始まったんだ。
先輩の恋人って言っても、僕は十五番目。 他の彼女さん達に悪いし、先輩が男なんかと付き合ってるってバレたら大変なことになってしまうから、あまり先輩には近づかないようにしてるんだ。
先輩と会ったり話したりするのは、大学で偶然先輩と出会った時か、先輩の気まぐれで呼び出される時だけ。
「あー…やっと講義終わった…」
「今日は、いつも以上に眠かったね~…」
将仁と二人してあくびをしながら、並んで学校の出口に向かう。 僕の通っている大学の周りには、遊べるような場所がないんだ。 だから、将仁と遊ぶ時は隣の駅まで行く。
「今日さ、久しぶりにゲーセンで…」
「いちご!!」
朝と同じように、将仁の言葉を遮って僕を呼ぶ声。
え? なにこれ、デジャヴ?
「辻元先輩…あ、あの……何かご用ですか?」
振り返ると、やっぱり先輩の姿が。
でも、珍しく一人みたいだった。 いつもなら、彼女さんの一人や二人連れているのに。
「行くぞ。」
「ぇ……っ!!?」
返事もしていないのに、僕の腕を掴み、スタスタと歩き出す先輩。
「ちょ、おいっ!!」
将仁の制止の言葉も、聞く気はないようだ。 先輩は、無視して歩いて行ってしまう。
僕はどうしていいのかわからなくて…でも、先輩の手を振りほどくような度胸もなく、なすがまま。