BL~中編・長編集2~
第17章 ~一番好きな人~
「ぅっ……ッ…」
さっき……本当に怖かった。 好きでもない人に、あんなことっ…
「ッ…せ、んぱいっ…」
先輩……先輩に会いたいっ………
あの優しい笑顔で『もう大丈夫。』って言ってほしいっ……
「あれ? いちご?」
「っ‼‼」
その声に振り返れば、今一番会いたい人の姿が。
「っ……先輩ッ‼」
「おっと‼」
なんだかわからない感情が溢れてきて、僕は先輩に思いっきり抱きついた。
「いちご? どうしたんだ?」
「…せ、んぱい…ッ…きょ、今日だけでいいのでっ……一緒にいてくれませ、んか…っ…?」
「え?」
いつもなら、絶対にこんなこと言わないけど……どうしても…今日だけは、どうしても一緒にいてほしい。
もう大丈夫なんだって、安心させてほしい。
「あー…」
だけど、先輩の口から出てきた言葉は残酷で。
「ごめん。」
だった。
「今日さ、こいつの誕生日なんだよ。 明日だったら予定空けられるから、明日じゃダメか?」
「…ッ…」
違うんです……今…今じゃなきゃ意味がないんです…
先輩の隣を見れば、可愛らしい女性が立っていた。
あ…この人、一人目の先輩の彼女さんだ。 やっぱり可愛い。 先輩と二人並んでいると、本当にお似合いのカップルって感じ。
「あ…のっ……す、すみませんでした‼ やっぱり、なんでもないのでっ‼ し、つれいします‼」
「あっ…」
サッと血の気が引いて、体温が一気に下がったのがわかった。
今にも泣いてしまいそうなのを我慢して、先輩達にそれだけ言って全力で走った。
「はぁっ…はぁ…ッ…‼」
震えて力の入らない体に鞭打って、必死に走った。
もう、気持ちがぐちゃぐちゃになって……悲しいんだか怖いんだかもわからなかった。 涙が溢れて止まらない理由も。
部長さんに襲われそうになったのが怖かったから涙が止まらないの…? それとも…
先輩に拒否されたのがそんなに悲しかった…?
さっき……本当に怖かった。 好きでもない人に、あんなことっ…
「ッ…せ、んぱいっ…」
先輩……先輩に会いたいっ………
あの優しい笑顔で『もう大丈夫。』って言ってほしいっ……
「あれ? いちご?」
「っ‼‼」
その声に振り返れば、今一番会いたい人の姿が。
「っ……先輩ッ‼」
「おっと‼」
なんだかわからない感情が溢れてきて、僕は先輩に思いっきり抱きついた。
「いちご? どうしたんだ?」
「…せ、んぱい…ッ…きょ、今日だけでいいのでっ……一緒にいてくれませ、んか…っ…?」
「え?」
いつもなら、絶対にこんなこと言わないけど……どうしても…今日だけは、どうしても一緒にいてほしい。
もう大丈夫なんだって、安心させてほしい。
「あー…」
だけど、先輩の口から出てきた言葉は残酷で。
「ごめん。」
だった。
「今日さ、こいつの誕生日なんだよ。 明日だったら予定空けられるから、明日じゃダメか?」
「…ッ…」
違うんです……今…今じゃなきゃ意味がないんです…
先輩の隣を見れば、可愛らしい女性が立っていた。
あ…この人、一人目の先輩の彼女さんだ。 やっぱり可愛い。 先輩と二人並んでいると、本当にお似合いのカップルって感じ。
「あ…のっ……す、すみませんでした‼ やっぱり、なんでもないのでっ‼ し、つれいします‼」
「あっ…」
サッと血の気が引いて、体温が一気に下がったのがわかった。
今にも泣いてしまいそうなのを我慢して、先輩達にそれだけ言って全力で走った。
「はぁっ…はぁ…ッ…‼」
震えて力の入らない体に鞭打って、必死に走った。
もう、気持ちがぐちゃぐちゃになって……悲しいんだか怖いんだかもわからなかった。 涙が溢れて止まらない理由も。
部長さんに襲われそうになったのが怖かったから涙が止まらないの…? それとも…
先輩に拒否されたのがそんなに悲しかった…?