BL~中編・長編集2~
第17章 ~一番好きな人~
「この時間なら、誰も来ないと思うから。」
将仁が連れてきてくれたのは、将仁が所属しているサークルの部室だった。
僕を椅子に座らせ、隣に腰を掛けた将仁は僕が泣き止むまでずっと背中を擦ってくれて。
結構時間がかかってしまったけれど、将仁のおかげでようやく涙が止まった。
「大丈夫か? 少しは落ち着いたか?」
「…っ…うん……ごめん…」
涙は止まったけど、体の震えはなかなか止まってくれなくて。
先ほどまでのことがフラッシュバックしてしまい、全然恐怖がなくならない。
「何があったのか、話したくないなら話さなくていいから。 ただ、話すことで少しでも楽になるなら、全然聞くから。」
「………じ、つは…」
少しでもあの恐怖を忘れたくて。 少しでも気持ちが楽になりたくて。
ぽつりぽつりと、先ほどあったことを言葉に出していく。
声が震えて言葉になっていない言葉を、将仁はちゃんと理解してくれて。
話が終わった時には、顔を真っ赤にして怒っていた。
「あのクソ野郎……前から朝陽のこと狙ってるとは思ってたけど、そんなことしたのかよ…」
声こそ荒立ててはいないけど、将仁の声はとても怒っていて。
部長さんに対して、本気で怒っているのがわかる。
「絶対に許さねぇ…」
「っ…」
僕にされたことに対して、将仁が本気で怒ってくれているのが嬉しかった。
だけど……
こんな状況でも、僕は将仁に嘘をついてしまって。
「次に会ったら、絶対にボコボコにしてやる。」
「ぁ…だ、ダメだよ‼ そんなことしたら、将仁が退学処分になっちゃうかもしれないし…ッ…‼」
将仁の言葉を聞いて、慌ててそう言った。
僕のせいで将仁がこの大学からいなくなってしまうのは、嫌だったから。
将仁とは一緒に卒業したかったから。
「…お前が…そう言うなら……」
渋々僕の言葉に納得したのと同時に、将仁の携帯が鳴り出して……画面を見た将仁は「げっ。」って顔をした。
将仁が連れてきてくれたのは、将仁が所属しているサークルの部室だった。
僕を椅子に座らせ、隣に腰を掛けた将仁は僕が泣き止むまでずっと背中を擦ってくれて。
結構時間がかかってしまったけれど、将仁のおかげでようやく涙が止まった。
「大丈夫か? 少しは落ち着いたか?」
「…っ…うん……ごめん…」
涙は止まったけど、体の震えはなかなか止まってくれなくて。
先ほどまでのことがフラッシュバックしてしまい、全然恐怖がなくならない。
「何があったのか、話したくないなら話さなくていいから。 ただ、話すことで少しでも楽になるなら、全然聞くから。」
「………じ、つは…」
少しでもあの恐怖を忘れたくて。 少しでも気持ちが楽になりたくて。
ぽつりぽつりと、先ほどあったことを言葉に出していく。
声が震えて言葉になっていない言葉を、将仁はちゃんと理解してくれて。
話が終わった時には、顔を真っ赤にして怒っていた。
「あのクソ野郎……前から朝陽のこと狙ってるとは思ってたけど、そんなことしたのかよ…」
声こそ荒立ててはいないけど、将仁の声はとても怒っていて。
部長さんに対して、本気で怒っているのがわかる。
「絶対に許さねぇ…」
「っ…」
僕にされたことに対して、将仁が本気で怒ってくれているのが嬉しかった。
だけど……
こんな状況でも、僕は将仁に嘘をついてしまって。
「次に会ったら、絶対にボコボコにしてやる。」
「ぁ…だ、ダメだよ‼ そんなことしたら、将仁が退学処分になっちゃうかもしれないし…ッ…‼」
将仁の言葉を聞いて、慌ててそう言った。
僕のせいで将仁がこの大学からいなくなってしまうのは、嫌だったから。
将仁とは一緒に卒業したかったから。
「…お前が…そう言うなら……」
渋々僕の言葉に納得したのと同時に、将仁の携帯が鳴り出して……画面を見た将仁は「げっ。」って顔をした。