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BL~中編・長編集2~

第17章 ~一番好きな人~

「すごい出たな。 もしかして、溜まってた?」

「…溜ま…? わかんな…ッ…は、じめてだから…」

「え? 初めて?」

僕の言葉に、先輩はすごく驚いたみたいだった。
そりゃあそうだよね。 大学生にもなって、射精したのが初めてだなんて。

「自分でしたこともないのか?」

「…ッ……」

そんなに驚かれると、逆に恥ずかしい。

僕は今まで、こういうことに興味がなかったから。 先輩と付き合えるなんて思ってもみなかったから、こういうこと想像すらしたことないし。

「す、みませっ…」

「あ、いや……ごめん。 まさか自分でもしたことないとは思ってなかったから、びっくりして。」

知識がなかったわけではないけど、本当に興味がなくて。
まさか、こんなに気持ちいいものだとは思っていなかった。

「あ、の…」

「ん?」

一度出してしまったら、だいぶ冷静になってきた。
体はまだ熱いけど、さっき程ではないし……

そしたら、僕ばっかりされていることが気になってきちゃったんだ。

「先輩…は…その……い、いいんですか…? 僕ばっかり……」

上半身を起こして、恥ずかしいのを我慢してそう聞いた。
まさか、そんなことを聞かれるとは思っていなかったんだと思う。 先輩はまた驚いたような表情をしたから。

「あ、あぁ……いや…俺のことは気にしなくていいから。

いきなりこんなことしてごめんな。 今日、嫌なことがあったばっかりなのに…」

そっか…逃げられてなかったら、部長さんにさっきみたいなことされてたってことなのか…

そう考えると、すごく怖くなった。
だけど……好きな人に触ってもらえるのって、こんなにも嬉しいものなのかと。
恐怖よりも幸福感の方が圧倒的に勝っていて…

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