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BL~中編・長編集2~

第17章 ~一番好きな人~

「はぁ…っ……はぁっ…」

「はぁっ…は…ッ……朝陽…」

「んっ…」

名前を呼ばれて目を開けると、先輩は今まで見たこともないくらい優しく微笑んでいて。

「大好きだよ…」

「っ……ぼ、くも…」

あぁ……どうしよう。 幸せすぎて、どうにかなりそうだ。

「汗…たくさんかいちゃったな。 一緒にお風呂入るか。 全部洗ってやるから。」

「ぇっ‼!? い、一緒にですか!?」

顔を真っ赤にして驚いている僕を見た先輩は、面白そうにクスクス笑うと、僕の中から自分のモノを抜いてベッドから立ち上がった。

「お前の初めて、全部俺にくれるんだろ?」

「…ッ…」

まだベッドに寝ている僕に手を差し出しながら、そう言った先輩。
優しいだけじゃない、とても愛おしいものを見るようなその笑顔に、また僕の胸が高鳴った。

「おいで。」

だから、僕は……差し出されたその優しい手に、自分の手を重ねたんだ。













「朝陽、おはよ。」

「あ、将仁。 おはよう。」

先輩と付き合い始めてから数日経った。
毎日、幸せいっぱいで……

「あの人、本当にお前以外の彼女と別れたらしいな。」

「うん。 昨日まで大変そうにしてたよ。」

先輩と初めて体を繋げた次の日、先輩は僕以外の彼女さん達と別れると宣言し、ここ数日はいろいろゴタゴタしていたみたいだった。
大学では、「遥に本命ができた。」と女子だけでなく男子まで騒いでいて……その話題で持ち切り。
相手が僕だってことはバレていないようなので、それだけが救い。

「将仁は、最近サークルの先輩と仲良いね。」

「……そうか?」

「うん。 だって、昨日も一昨日もその先輩と遊んだんでしょ?」

今まではその先輩とそんなに仲良い印象はなかったのだけど。

「あぁ…そういえば、そうかもな。」

僕と先輩がきちんと付き合い始めたから、気を遣っているのだろうか。
そんな必要ないのに。

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