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BL~中編・長編集2~

第1章 ~天使がくれた奇跡~

僕の人生に転機が訪れたのは・・・そう。

高校三年生の夏休み前だった。

その日は、とても蒸し暑い日で・・・・僕は、珍しく寝坊してしまった。

遅刻するギリギリの時間に家を飛び出し、学校に向かって全力で走ったよ。 担任の先生が怖かったからね。


もう・・・・椿、起こしてくれればいいのに・・・

そんなことを考えながら走ってたら、後ろから足音が聞こえてきた。

「?」

不思議に思って振り返ると、よく見慣れた姿が。

「あれ? 梓じゃん。」

「駿・・・」

僕は驚いて固まってしまった。

別に、駿に会って驚いたわけじゃない。

「その子・・・・誰?」

「え?」

駿の隣に、小さな男の子が立っていたんだ。 しかも、その子の背中には・・・・

「なに言ってんだよ、梓。 誰もいないだろ。」

羽が生えていた。

「え、いるよ? なんでそんな格好させてるの?」

その時の僕は、駿がコスプレさせた男の子を連れて来たんだと思った。

だって、天使の存在なんて、その時は信じてなかったからね。

だから、駿がとぼけているのも、演技だと思ってた。

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