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BL~中編・長編集2~

第3章 ~初恋は実らない~

「うまそうだな~。 菅原って料理うまいんだな。」

別に・・・大したものは入っていないが。

「ふぅ~・・・食った食った。」

「ごちそうさまでした。」

この日も、いつもと同じように昼食を終え、教室に戻ろうとした時だった。

「? なに? 武田。」

立ち上がろうとした俺の腕を、武田が掴んできた。

こんなこと、一度もなかったのだが。

「・・菅原・・・」

「っ・・・」

真剣な顔。 いつものふざけた姿からは、想像できない顔だ。

「ダメか?」

「・・・ダ、ダメって・・・・」

そのまま腕を引かれ、武田に抱きしめられた。

「抱きたい。」

「た、けだ・・・」

高校に入ってから、ずっと好きだった男。

低い声でそう囁かれたら、首を横に振ることなんて出来なかった。







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