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BL~中編・長編集2~

第3章 ~初恋は実らない~

「なんで。」

シャツを貸すなんて、面倒くさい。

「朝、誰かさんのせいでシャツがびしょびしょにされちゃったんだよねー。」

「・・・・・」

俺か。 朝、敦志の胸を借りて泣いたからな。

「・・・わかった。」

「やったね。 サンキュー。」

ロッカーからシャツを取り出し、敦志に差し出した。

「ん。」

「明日の朝家に行った時に返すから。」

「は?」

明日の朝? 家に来る? でも、約束なんてしてないよな?

「今日の埋め合わせはしてもらうからな。 楽しみにしてたんだぞ。」

なるほど。 それは悪いことをしたな。

「わかったよ。 じゃあ、明日の朝な。」

「よし!! じゃあな!!」

にっと笑顔を浮かべた敦志は、俺のシャツを握って走り去って行った。

「菅原君が名前で呼び合うのなんて、初めて見たね。」

「ね~。 しかも、相手はあの織田君だよ!?」

「なんか、『特別』って感じ!!」

「・・・・・」

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