テキストサイズ

BL~中編・長編集2~

第3章 ~初恋は実らない~

「わかった。 ちょっと待ってろ。」

「はいよー。」

まだ何か言いたそうな顔をしている武田の横を通り過ぎ、弁当を持って敦志の所に戻る。

「あ、武田先輩!! ちゃんと部活来て下さいよー。」

「・・・・」

っていうか、言ってなかったと思うけど、敦志は俺より身長が高い。

端から見れば、兄弟に見えないよな・・・

「あーあ・・・無視されちゃったな。」

「武田だからな。 誰が言っても聞かないだろ。」

あいつ・・・・敦志と同じくらいの実力があるのに、どうして部活に行かないんだ?
下手すれば、敦志が負けるくらいなのに・・・

「なぁ、朔夜。」

「なんだよ。 っていうか、呼び捨てにするな。」

弟に呼び捨てにされる兄って、どうなんだろうか。

「まぁまぁ。 その話は置いておいて。」

「おい。」

置いておくな。 俺にとっては重大な話だっての。

「前から聞きたかったんだけどさ・・・あの人のどこが好きなわけ? どう考えても、朔夜の一番嫌いなタイプだと思うんだけど。」

「・・・・」

どこが・・・・か。

そんなの、俺にもわからない。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ