テキストサイズ

BL~中編・長編集2~

第3章 ~初恋は実らない~

「たぶん・・・気になり出したのは、大会であいつを見た時からだと思う。」

敦志も出ていたから、敦志を応援しに行ったのだが・・・

「あぁ・・・俺が先輩に負けた大会か。」

敦志が勝つだろうと思っていたのに、武田は華麗に敦志の技を避け、簡単に敦志を負かした。

その時・・・・俺は、一瞬で魅了されてしまった。

「そういえば・・・朔夜が手合わせしてくれるようになったのは、あの大会の後からだったな。」

「・・あぁ。」

武田の技を見た時、初めて・・・心から、空手をやりたいと思った。

生まれた時から父さんに強制的にやらされていたから、空手なんて嫌いだったのに・・・・

「久しぶりに技を使った朔夜にぼこぼこにやられた時は、すごいショックだったな。」

「お前、あの時手加減してただろ。」

久しぶりに空手に触れた俺が怪我をしないように、敦志は一番最初の手合わせの時、俺に対して手加減をした。

「途中から本気出してたっての。 それでも負けたけど。」

「はは。」

武田が空手をしているところ・・・・また見たいな。

「先輩と朔夜が対決したら、どっちが勝つんだろうな?」

「さあな。 あいつじゃないか?」

敦志を負かしたことのある奴だ。 俺と同等か、もしくは俺以上の実力を持っているかもしれない。
俺は真剣にやっているわけではないしな。

「いただきまーす。」

「・・・敦志・・・・お前、いつもコンビニのパンなのか?」

母さんは弁当を作ることもしないのか。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ