禁断の恋は病院の中で
第4章 *恐怖心*
「聞いているんですか!?
いい加減に許嫁の方と会わなくては...」
「わかっています!!今日はその話は聞きたくありません...
失礼します」
「ちょっ、鈴...!!」
うるさい
なんで許嫁なんかがいるんだ
俺には恋愛をすることも
させてもらえないのかよ
和人、好きだよ
お前が好きだ
お前と一緒にいたいのに
立場が邪魔するんだ
俺は医者だからダメ
許嫁がいるからダメ
..昔からあれダメこれダメって
母さんも父さんもダメばっかり
和人は譲れないんだよ
俺のするんだ
いつまでも『ダメ』に縛られていらんねぇんだよ
...違う、ダメだ
和人には咲良がいるんだった
しかも和人は患者だ
落ち着いて考えろ
何もかもダメじゃないか
相手は男だし
病人許すとは思えない
「ははっ...
俺もダメって言うの、
癖になってんじゃん...」
俺の手には入らない
なら、
いっそのこと
俺の手の届かないところへ
やってしまおうか