妹萌えフラグ3
第13章 兄妹の真実
「ママのお腹、ぺたんこ…」
唇を震わせながら、ユイが言った。
しばしの沈黙が流れる。
確かに、ユイが言う通り、春に生まれたユイと、厚手の長袖を着て、見るからに季節は冬であろう、その写真とでは計算が合わない。
「きっと、俺が1歳のときのなんだよ」
やっとの思いで、思い付いた言葉。
たぶん俺の声は震えていた。
「このページ…2歳のお兄ちゃんの写真しか、貼ってないよ…」
「お前がお腹にいるけど俺を抱っこしてるんじゃね?」
「妊娠してるときは、普通は重たいものは持たないと思う…」
気まずい。
俺が何も言えないでいると、ユイは
「ごめん…ちょっと疲れちゃった」
それだけ言って、ユイは部屋にこもってしまった。
慈しみの象徴のような、2次元の過去に囲まれながら、俺は立ち尽くす。