妹萌えフラグ3
第13章 兄妹の真実
「藍沢守のいとこです」
もう古稀は祝っただろう老婦に、守兄ちゃんの部屋へ内線を繋いでもらう。
守兄ちゃんが下宿していたアパートは、とてもじゃないが新しいともキレイとも言えない。
守兄ちゃん曰く、家賃が安く、同じ大学の人しかいないので気が楽なんだとか。
「守くんのほうが、いけめんねぇ…」
守兄ちゃんを待つ俺を品定めし始めた管理人さん。
「はい?」
「ホントはねぇ、電話とかで取り次ぐようにはなってなかったんだけど、守くんって…ホラ、もてもてぇでしょ?」
頬杖をついて、管理人さんはフーッと、ため息をはいた。
「忙しいけど…。ま、アカリの遊び相手になってくれるからぁ…」
老婦は、クルクルと内線の紐と指先を遊ばせる。
「アカリって…?」
「私の孫。来年で小学6年生になるのよぉ。守くんの部屋に毎日のように押し掛けてっちゃって…」
嫌な予感が…。
「おばあさん、それはアソビの意味が違うんじゃ…?」
「はぁっ?」
老婦が怪訝な顔をする。
「俺、部屋まで行ってみますっ!」
ルルル
「守くん?もう、そっちに行っちゃったよぅ…」
おばあさんの間延びした声が、後ろから聞こえた。