妹萌えフラグ3
第10章 妹の感情
グイッ
突然、ユイが俺から引き離される。
「あっ!」
再び、守兄ちゃんの腕の中にユイが捕らわれる。
「リュウ…お前は、ホンット!ユイが好きだな…」
守兄ちゃんの目は、とても切なげだ。
「15年前も同じだよ。俺は、あの時からユイが欲しかったのに…お前が、ユイを横からさらったんだ!」
「はっ?」
話が読めない。
さらうも何も、俺とユイは兄妹なんだから…
「私はっ!お兄ちゃんが、お兄ちゃんだから、お兄ちゃんでも好きなのっ!」
ユイが、守兄ちゃんの腕の中で叫ぶ。
「もとはといえば、私がいけなかったの。守兄ちゃんの気持ちを知りながら、自分が気持ちいいからって利用して…」
数年前、ユイがしばしば守兄ちゃんの家に遊びに行くことがあった。
だが、守兄ちゃんが大学に入る直前、ユイはぱったりと守兄ちゃんの家に遊びに行かなくなった。
ユイ…お前は…。
「ねえ、守兄ちゃん…。お兄ちゃんはね、いつも私と一緒に気持ちよくなってくれるの。だから…私は、私のためにムリしちゃう人より、私のために一緒に笑ってくれる人が…好きだよ」