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「お前はそこまで見ちまったのか」
　栄佐がガクリと肩を落とした。
「ね、今からでも遅くない。あんな怖ろしい連中とは手を切って」
「できねえな」
　ややあって栄佐が切り捨てるように言った。絶望感と無力感がひしひしと小紅を苛む。
「どうして？」
　小紅は栄佐に近寄り、その顔を覗き込むようにして言った。
「捕まれば生命はないかもしれないのに、それでも続けるというの？」