テキストサイズ

一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第14章 第一部第三話【戀月桜~こいつきざくら~】 熾火(おきび)

「小紅どのも判っとるとは思うけんど、こういう事件を解決するコツはまず証拠を掴むことじゃ。どんな事件でも証を掴まんことには、どうにもならん。だから、今回もまずは証拠を押さえる。どういうことか、判るか?」
 小紅は龍馬の黒い瞳を見つめ返し、頷いた。
「現場に乗り込むと?」
 その応えに、彼は満足げに笑った。
「ご名答。流石は俺の見込んだおなごだけはあるのぅ。別嬪なだけじゃのうて、頭も切れる。そうじゃ、こうなったからには、もう現場に乗り込むしかなかろうて」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ