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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第14章 第一部第三話【戀月桜~こいつきざくら~】 熾火(おきび)

 そこで龍馬は開けたままにしてあった表の障子を閉めた。誰かに聞かれない用心のために違いない。
 上がり框に座った小紅と視線を合わせるために、三和土にしゃがみ込む。彼の声が一段と低められた。

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