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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第2章 【残り菊~小紅と碧天~】 恋一夜

「まったく、お前は何というヤツだ。恥を知れ、恥を」
 〝ヒ〟とも何とも形容のしがたい悲鳴が準平の口から洩れた。つくづく情けない男である。
 武平がつかつかと歩いてきた。―かと思うと、いきなり鉄拳が準平の顎を見舞った。その煽りをまともに喰らい、準平は見事に後方に吹っ飛んだ。

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