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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第15章 第一部・第三話【戀月桜~こいつきざくら~】 すれ違い

 芝居がそれまで好きなのなら、大部屋でも良いから続ければ良いのだ。大部屋であることに対してどうしても誇りが許さないというのなら、きっぱりと未練にケリを付けて芝居の世界から脚を洗えば良い。
 芝居は止めたくないけれど、大部屋のまま続けるのはいやだというのは所詮、栄佐の我が儘であり甘えなのだ。自身の力のなさで立て役になれないのというのなら、そこは自分で踏ん切りをつけるというか、乗り越えるしかない。

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