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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第15章 第一部・第三話【戀月桜~こいつきざくら~】 すれ違い

「密輸!?」
 話があまりに飛躍しすぎて、一瞬、小紅は我を忘れた。龍馬がシィっと唇に指を当てる。
「声が高い。気ィつけや」
「ごめんなさい」
「土佐屋は琉球からは珊瑚や果ては海を越えて清国にまで手を伸ばして美術工芸品を密貿易で手に入れとる」
「密貿易―」

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