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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第2章 【残り菊~小紅と碧天~】 恋一夜

「本当に大事ないのか? 先から小紅ちゃん、震えてるぞ?」
「―」
 小紅は潤んだ瞳で武平を見上げた。本当は大丈夫なんかじゃない。いきなり人気のない場所に連れ込まれ、犯されそうになったのだ。平気なはずはなかった。
「叔父さま、私」
 涙を浮かべた小紅の瞳を見て、武平は胸をつかれたようであった。

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