
一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第20章 第二部・第四話【悲願花~女になった男~】 定命
「なら、そいつだ。お前を助けたのが俺の子どもの頃の友達かもしれねえ。輿平太は確か日本橋界隈で八百屋をやってた家の倅だったな、まだ赤ン坊の妹が一人いて、随分と妹を可愛がっているようだった」
しきりに何かを思い出すような表情で呟いた。
「何しろ、俺が七つ、向こうも九つのまだガキの頃の話だしなア。今、どこかで出くわしても、お互いにすぐに判るとは限らねえな。達者でやってるようだったか?」
「ええ、元気そうだったわよ」
しきりに何かを思い出すような表情で呟いた。
「何しろ、俺が七つ、向こうも九つのまだガキの頃の話だしなア。今、どこかで出くわしても、お互いにすぐに判るとは限らねえな。達者でやってるようだったか?」
「ええ、元気そうだったわよ」
