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　たとえ、小紅自身が俺を拒んだとしても。可哀想だが、もう手放してはやれない。憎まれても嫌われても、栄佐は小紅を一生涯側に置くと決めていた。長い人生を共に歩むと決めたのは小紅だけだった。
　もし、万が一、小紅が俺を嫌いになったりしたら？
　栄佐の想いは次第にほの暗い想念の底に沈んでゆく。逃げようとする小紅を追いかけて捕まえ、どこかに閉じ込める自分が簡単に想像できる。