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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第2章 【残り菊~小紅と碧天~】 恋一夜

 別に武平が納得してのことだったのだから、悲壮感も何もあったものではないだろう。しかし、武平にはその後、実子はできず、彼は血の繋がらない息子を我が子のように大切に育てた。しかも、その倅は父に恩を感じるどころか、父が汗水垂らして稼いだ金を平気で遊興に費やしている。

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