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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第2章 【残り菊~小紅と碧天~】 恋一夜

 その姿は何かを小紅に語りかけてくるようであった。すべてのものをただ受け容れ、己れの運命に逆らうことなく、それでも日々を真摯に生きている。小紅の瞼に、再び薄い闇の中で咲く白い可憐な菊たちの健気な姿が甦った。

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