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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第2章 【残り菊~小紅と碧天~】 恋一夜

「小紅ちゃんは心配性だな。大丈夫だよ。疲れているから、昨日は吉原にも行かずに早めに切り上げてきたしね」
 その言葉に何故か、妙な焦りを憶えて小紅はつい言ってしまった。
「叔父さまは吉原なんかに行くの?」
「そりゃア、もちろん私も男だから、遊廓には行くことはある。とはいっても、大抵は寄り合いの後の単なる付き合いだが」
「ねえ、男のひとって、皆、そういう場所が好きなのかしら」

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