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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第2章 【残り菊~小紅と碧天~】 恋一夜

 が、武平は小紅の質問を面白がったりもせず、もちろん、軽蔑したような顔もしなかった。
「小紅ちゃんがそんな質問をするとは意外だ。だが、お前ももう十五で、嫁入り話まで出てる。いつまでも子どものままだと思っていたが、いつのまにか立派な大人になったんだな」
 武平は昔を懐かしむような口調でしみじみと言う。

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