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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第22章 第二部・第五話 【冬柿】 予兆

―大切な小紅を泣かせる奴はたとえ実の父親であろうと許さねぇ。
 その割には自分は時折、埒もない嫉妬で恋情を持て余し、小紅に無理強いしたりする。結果、彼女を泣かせてしまうことになる。そんな自分が言えた義理ではないのは判っているが、とにかくあの男の正体がはきと判るまで小紅にその話をするつもりはないし、あの男が小紅に近づくのを許すつもりもなかった。

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