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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第22章 第二部・第五話 【冬柿】 予兆

 こういう瞬間が小紅は好きだった。栄佐の側にいて、大好きな笑顔や声を聞きながら、彼のために何かをする。そういう日々がずっと続いていけば良いと思う。
 そこで、ハッとした。もしかして、この気持ちは。
 男とずっと一緒にいたいと願う。その想いの先にある自分の気持ちは。小紅がその応えに思い当たって頬を染めた瞬間、栄佐ののんびりとした声が耳を打つ。

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