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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第23章 第二部・第五話 【冬柿】 冬柿

 祝言の大体の日取りが決まってからというもの、小紅はどうにも落ち着かない。ふわふわと足許が頼りなく、一日、何をしていてもぼんやりとして夢の中を漂っている心地だ。文字どおり、今の状態を表すとすれば、夢見心地とでもいえば良いのか。

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