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「小紅とは、いや小紅さんとは来年の春を待って祝言を挙げることになっていますよ」
「そうですか」
　仁助は涙を零しながら、幾度も頷いた。
「こんな私が言うのも何ですが、不束な娘ですが、どうか末永く可愛がってやって下さい」
　深々と頭を下げる仁助はまさしく娘の幸せを願う父親そのものだ。
　栄佐はここぞとばかりにひと押しした。