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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第24章 第二部第五話 【冬柿】 父と娘

 穏やかな初冬の陽差しが降り注いでいる。今日は朝から江戸には爽やかな蒼空がひろがり、穏やかな一日となった。師走まだ初めとて、日中に日が照れば寒さも幾分かは和らぐ。
 小紅は栄佐と並んで歩きながら、時折、側を吹き抜けてゆく冬の風が火照った頬に心地良いと感じた。

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