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一度だけ抱いて～花は蝶に誘われてひらく～

第24章 第二部第五話　【冬柿】　父と娘

「こいつは小紅にはもう酒は飲ませられねえな」
　栄佐はこの日、得た教訓を改めて心に刻みつけた。
「やっぱり、悪酔いしても小紅は可愛いな」
　栄佐は眠っている小紅に取ってきた掛け衾(ぶすま)をかけてやりながら、そっとそのふっくらとした頬に触れた。
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