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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第2章 【残り菊~小紅と碧天~】 恋一夜

「もう夜も遅い。嫁入り前の娘がいつまでも男の部屋にいるのは外聞も悪いだろうから、部屋に戻って寝みなさい」
 つい今し方の男の情熱を感じさせる熱っぽい口調ではなく、もう普段の叔父の声に戻っている。
 それで良いのだと小紅は自分に言い聞かせながら、立ち上がった。

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