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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第25章 第二部・第六話【春咲く花】 再会

 が、相手も栄佐が手強いと悟ったのか、乱闘はしばらく続いた後、黒い影の男はいずこかへと逃げるように飛び出ていった。
「栄佐さん」
 小紅はまろぶように栄佐に駆け寄った。
 相手は匕首を持っていたのだ。栄佐がまず無事でいるかどうかが心配だった。
「大丈夫? 怪我はしてない?」
 近寄った小紅を栄佐は泣き笑いのような奇妙な表情で見ている。

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