テキストサイズ

一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第27章 第二部・第六話【春咲く花】 逢瀬

 まるで血の色を彷彿とさせる夕焼け空は美しいというよりは、凄惨で不吉な印象しか与えない。それがあたかもこれから我が身に起こるであろう出来事を暗示しているかのように思え、小紅は溢れそうになった涙をまたたきで散らした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ