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　彼は小紅の胸をさっと手で包み込む。
「以前よりも大きくなった？」
　こんなときなのに、冗談を口にする栄佐が憎くて―、こんなにも愛おしい。小紅は真っ赤になって抗議した。
「もう、何てことを言うの」
　まだ何か言おうとした小紅に口づけの雨を降らせ、彼は小紅を悶えさせた。ひとしきり唇を狂おしく合わせた後、栄佐が大切なものに触れるように、小紅の髪を撫でた。