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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第28章 第二部・第六話【春咲く花】 春咲く花

 それを手にした栄佐は言葉を失った。それは一通の書状であった。中にはいかにも源五らしい律儀な手蹟でこんなことが綴られていた。
 
 それでもなお殿が依然として市井にてただ人として生きる道をまっとうなさりたいと思し召したときは、この源五郎の屍を乗り越えてお進みなされませ。

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