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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第3章 【残り菊~小紅と碧天~】 旅立ち

「今夜が山ですかな。有り体に申し上げて、持ち直すのはかなり難しいかもしれない。私の診たところ、ご病人は既に何度も小さな発作を繰り返されている。そこに精神的な負荷がかかりすぎて、大きな発作が起きた。また、養生第一が肝心にも拘わらず、日頃から無理を重ねておられたようですな。身体そのものも弱っておられるようですから、かなり厳しい状況だと申し上げざるを得ません」

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