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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第3章 【残り菊~小紅と碧天~】 旅立ち

 あなたが嫌いだからとは流石に言えなくて、小紅は言葉につまった。
「どうしても、俺のものになっちゃア、くれねえのか」
「―ごめんなさい。私、やっぱり」
「なら、もう良い」
 その一言で、小紅は準平が自分を諦めてくれたのかと思った。しかし。
 彼は憮然として言った。

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