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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第3章 【残り菊~小紅と碧天~】 旅立ち

「さて、次はどこを味わってみようかな」
 準平は面白そうに言い、小紅を眺めている。彼がおもむろに帯を解き始めたので、小紅は狼狽えた。
「お願いだから、止めて。準平さん、こんなこと、止めて」
「可愛い小紅のお願いなら何でもきいてやりたいのは山々だが、これだけは無理だな」
「いや―。いやっ」
 小紅はありったけの力を出して暴れるも、今回も抵抗はいともあっさりと抑え込まれた。力では叶わないのは嫌でも判っている。

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