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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第3章 【残り菊~小紅と碧天~】 旅立ち

「準平さん、私、いやなの。お願い、止めて」
「なら、出ていかないか?」
 小紅はコクコクと頷いた。この男の傍にはいたくないけれど、無理に身体を奪われるよは、はるかにマシだ。
「いや、やはり駄目だ。幾ら約束しても、お前はいずれここを出ていくに決まっている。俺にお前をつなぎ止めておくためには、身体を俺のものにするしかない」
「約束は破らないから、ずっとここにいるから」

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