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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第4章 【残り菊~小紅と碧天~】 流星

「悪ィ、待たせたね」
 いきなりの科白に、小紅は度肝を抜かれた。これから逢い引きしようかという待ち合わせ中の男女のような口ぶりだ。
「あのですね。私、今度、隣に引っ越してきた者ですが、真っ昼間から、そういうことは止めて欲しいんですけど。何ていうか、まもとに声とか聞こえてきて、はっきり言って迷惑です」

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