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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第5章 【残り菊~小紅と碧天~】 いちばん幸せな日

「栄佐さん」
―あなたは一体、本当は何ものなの?
 しかし、その先に続くはずの問いかけは永遠に発せられることはなかった。
 問うのは簡単だ。しかし、続いて、彼から返ってくるであろう応えは予測がつかない。
 仮に小紅の思いも及ばないような応えが返ってきたとしたら、漸く見つけたばかりの恋をまた失ってしまったとしたら、自分は立ち直れるだろうか。

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