テキストサイズ

一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第5章 【残り菊~小紅と碧天~】 いちばん幸せな日

「この前の話、本気だぜ」
 あまりにも唐突に切り出され、小紅は眼を瞠った。
「何のことか、さっぱり判らないって、可愛い顔に書いてあるな」
 栄佐はくすくす笑う。
「本当にお前は解り易い性格っていうか、頭ン中で考えてることが全ー部、顔に出てしまうんだな」
 小紅はむうと頬を膨らませる。
「どうせ私は単純馬鹿ですよ」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ