テキストサイズ

一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第5章 【残り菊~小紅と碧天~】 いちばん幸せな日

「同じ科白を何度も言わせるな。俺はそのまのお前を丸ごと好きになったんだ。俺が見た小紅に惚れたんだから、お前が何を話そうが話すまいが、関係ない」
「ありがとう、栄佐さん」
 風車売りが二人とすれ違い、遠ざかってゆく。二人はその場に立ち尽くし、いつまでも風車売りを見送った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ